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    メジャーリーグベースボール

    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

    WLATCY MOCH WLATCY MOCH Forum W_atcy Mch
    メジャーリーグベースボール
    分類 プロ野球
    開始年 1876年
    コミッショナー バド・セリグ
    参加チーム 30
    加盟国 アメリカ合衆国
    カナダ
    前回優勝チーム ボストン・レッドソックス
    公式サイト MLB.com

    メジャーリーグベースボールMajor League BaseballMLB)とは、アメリカ合衆国及びカナダの30球団により編成されるプロ野球リーグであり、アメリカ4大プロスポーツリーグの1つである。ナショナルリーグアメリカンリーグの2つのリーグで構成されている。日本では一般的にメジャーリーグ、大リーグと呼ばれる。「大リーグ」の呼称はメジャーリーグの別名「ビッグリーグ (Big League) 」の訳語である。ファンは自分の出身地や住んでいる場所の地元チームを応援するのが通例となっている。

    目次

    [編集] 概説

    メジャーリーグベースボール(以下、MLB)は、ナショナルリーグアメリカンリーグの2リーグからなり、カナダに本拠地を置く1チームを含む全30球団から構成されている。各チームはリーグごとに東地区、中地区、西地区に所属する。アメリカ合衆国外からの参加は過去にモントリオール・エクスポストロント・ブルージェイズの2チームが参加していたが、2005年にモントリオール・エクスポスがワシントンD.C.に本拠を移転したため、現在はトロント・ブルージェイズの1チームのみとなった。

    試合形式は、レギュラーシーズンとポストシーズンで構成され、最終的に各リーグの優勝チームがワールドシリーズと呼ばれる優勝決定戦を行いワールドチャンピオンを決定する。レギュラーシーズンは4月初旬から9月下旬にかけて各チームが162試合を行い地区優勝を争う。10月初旬からポストシーズンがトーナメント形式で行われる。トーナメントでは各段階ごとにディビジョンシリーズリーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズと冠される。

    マーケットを外国にまで拡大したいMLB機構は、アメリカ合衆国やカナダ以外での公式戦開催を推進している。日本では2000年2004年2008年に公式戦開幕シリーズを東京ドームで開催した。2003年にも予定されていたが、イラク戦争の影響で中止となった。今後も日本での公式開幕戦が開催される可能性がある。

    現在、アメリカ国内にはMLBの傘下に所属していないプロ野球リーグがいくつか存在しており、これを独立リーグと呼んでいる。また、過去に黒人の野球選手のみで構成されたニグロ・リーグ1914年から1915年にはフェデラル・リーグと呼ばれる第3のリーグが存在したが、いずれも現在は廃止されている。

    [編集] 参加チーム

    [編集] アメリカンリーグ

    地区 チーム名 略称 創設年 本拠地 本拠地球場
    東地区 ボルティモア・オリオールズ BAL 1901 メリーランド州ボルチモア オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ
    ボストン・レッドソックス BOS 1901 マサチューセッツ州ボストン フェンウェイ・パーク
    ニューヨーク・ヤンキース NYY 1901 ニューヨーク州ニューヨークブロンクス ヤンキー・スタジアム
    タンパベイ・レイズ TB 1998 フロリダ州セントピーターズバーグ トロピカーナ・フィールド
    トロント・ブルージェイズ TOR 1977 オンタリオ州トロント ロジャース・センター
    中地区 シカゴ・ホワイトソックス CWS 1901 イリノイ州シカゴ U.S.セルラー・フィールド
    クリーブランド・インディアンス CLE 1901 オハイオ州クリーブランド プログレッシブ・フィールド
    デトロイト・タイガース DET 1901 ミシガン州デトロイト コメリカ・パーク
    カンザスシティ・ロイヤルズ KC 1969 ミズーリ州カンザスシティ カウフマン・スタジアム
    ミネソタ・ツインズ MIN 1901 ミネソタ州ミネアポリス ヒューバート・H・ハンフリー・メトロドーム
    西地区 ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム LAA 1961 カリフォルニア州アナハイム エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム
    オークランド・アスレチックス OAK 1901 カリフォルニア州オークランド マカフィー・コロシアム
    シアトル・マリナーズ SEA 1977 ワシントン州シアトル セーフコ・フィールド
    テキサス・レンジャーズ TEX 1961 テキサス州アーリントン レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン

    [編集] ナショナルリーグ

    地区 チーム名 略称 創設年 本拠地 本拠地球場
    東地区 アトランタ・ブレーブス ATL 1871 ジョージア州アトランタ ターナー・フィールド
    フロリダ・マーリンズ FLA 1993 フロリダ州マイアミ ドルフィン・スタジアム
    ニューヨーク・メッツ NYM 1962 ニューヨーク州ニューヨーククイーンズ シェイ・スタジアム
    フィラデルフィア・フィリーズ PHI 1883 ペンシルバニア州フィラデルフィア シチズンズ・バンク・パーク
    ワシントン・ナショナルズ WSH 1969 ワシントンD.C. ナショナルズ・パーク
    中地区 シカゴ・カブス CHC 1871 イリノイ州シカゴ リグレー・フィールド
    シンシナティ・レッズ CIN 1869 オハイオ州シンシナティ グレート・アメリカン・ボール・パーク
    ヒューストン・アストロズ HOU 1962 テキサス州ヒューストン ミニッツ・メイド・パーク
    ミルウォーキー・ブルワーズ MIL 1969 ウィスコンシン州ミルウォーキー ミラー・パーク
    ピッツバーグ・パイレーツ PIT 1882 ペンシルバニア州ピッツバーグ PNCパーク
    セントルイス・カージナルス STL 1882 ミズーリ州セントルイス ブッシュ・スタジアム
    西地区 アリゾナ・ダイヤモンドバックス ARI 1998 アリゾナ州フェニックス チェイス・フィールド
    コロラド・ロッキーズ COL 1993 コロラド州デンバー クアーズ・フィールド
    ロサンゼルス・ドジャース LAD 1883 カリフォルニア州ロサンゼルス ドジャー・スタジアム
    サンディエゴ・パドレス SD 1969 カリフォルニア州サンディエゴ ペトコ・パーク
    サンフランシスコ・ジャイアンツ SF 1883 カリフォルニア州サンフランシスコ AT&Tパーク

    [編集] リーグの構成と変遷

    現在、MLBに所属する30チームはアメリカ合衆国の17の州とコロンビア特別区カナダの1州に本拠地を置いている。ナショナルリーグは16チーム、アメリカンリーグは14チームに分割され、さらに各リーグに所属するチームは地図上で東中西の3つの地区に分けられる。

    各地区はアメリカンリーグ西地区が最小の4チーム、ナショナルリーグ中地区が最大の6チームが所属し、その他の4地区が5チームで構成される。30チームに増加した当初は、各地区5チームごとの同数に分ける案も出されたが、リーグ15チームの奇数になった場合試合を組めないチームが必ず1チームでき、年間の試合スケジュールを組むのが困難になるためアメリカンリーグの1チームをナショナルリーグに配置した。

    MLBは各リーグ8チームの16チームで発足。この構成は1901年から1960年まで続いたが、1961年に2チームが加盟し18チームになった。この年からたびたび再編成が行われ、翌1962年に20チーム、1969年には24チームに増加し、この年東西2地区制が導入された。その後も1977年には26チームになり、28チームに増加した1993年の翌年、現在の東中西3地区制に移行した。1998年にも2チームが加盟し現在の構成となった。

    [編集] 年間スケジュールと試合システム

    [編集] スプリングトレーニング

    シーズンが始まる前の2月中旬から3月下旬にかけて日本の春季キャンプにあたるスプリングトレーニングが行われる。このキャンプが行われる時期はまだ気温が低く雪が降るなどの地域があるため、暖かい地域のアリゾナ州フロリダ州にあるマイナーリーグの本拠地がキャンプ地に選ばれている。アリゾナ州をキャンプ地にするチームでカクタスリーグCactus League)、フロリダ州をキャンプ地にするチームでグレープフルーツリーグGrapefruit League)が形成され、公式戦と同じような形式で試合が行われるが、この間の記録は公式記録とはならない。

    スプリングトレーニング開始時点で25人ロースター(MLB登録枠)は確定しておらず、40人ロースター(MLB登録拡大枠)の選手とロスター外の招待選手と呼ばれる所属チームが決まっていないベテランの選手やマイナーリーグの有望選手の中からレギュラーシーズン開始までにふるい分けが行われる。レギュラーシーズンよりベンチ入りの選手が多いため、チームを2分割し同じ日に違うチームと対戦するスプリットスクワッドなどの方式が採られる。

    [編集] レギュラーシーズン

    メジャーリーグの試合風景
    メジャーリーグの試合風景

    4月上旬から9月下旬1チームインターリーグを含む162試合対戦するレギュラーシーズンが行われる。インターリーグは 例年、5月中旬に数試合と6月に計18試合程度行われる。その他の試合は地区によって所属チーム数が違うためばらつきがあるが、同地区と60試合程度、同リーグの他2地区と各45試合程度の対戦となる。自チームの本拠地球場と相手チームの本拠地球場でほぼ均等に試合が組まれる。

    両リーグとも予告先発制度を採用している。先発投手は試合ごとではなく対戦カードごとにまとめて予告される。なお、 アメリカンリーグでは日本のパシフィック・リーグと同じく指名打者制(DH)が採用される。試合は引き分けなしの時間無制限で行う。例外として、延長などで試合がもつれた場合日付が変わる午前1時以降は新しいイニングに入ってはいけない。降雨などで「タイゲーム」となった場合も同様で、この場合は次の日以降に中断した時点から再開し決着が付くまで試合が行われる。その場合の試合は、移動日や1日にその日予定されていた試合と順延になった試合の2試合行うダブルヘッダーなどで消化される。大乱闘などで試合続行不可能になったり、そもそも相手チームが到着せず、試合ができない場合などは、フォーフィットゲーム没収試合)となることがある。

    7月31日まで、レギュラーシーズン中のチーム間の直接のトレードが可能となっている。そのため主軸選手や中堅選手のシーズン中のトレード移籍が多く見られる。7月31日以降もトレード自体は可能であるが、その場合は当該選手をウェーバー公示にかけ、通過した場合のみトレードが可能となる。

    9月になるとMLB登録枠が25人から40人に拡大される。この処置で、25人ロースターから外れていた選手が多くベンチ入りすることとなり、幅広い試合戦略が練られるようになる。そのためこの時期にメジャーデビューを果たす若手選手が多く見られる。

    MLBでは新古典派球場ブームにより、日本のように天候に左右されないドーム球場は減る傾向にあるため、雨による中止が多く見られる。ただ、レギュラーシーズンの試合日程が過密であり、20~30連戦という日程が少なくないため、3時間程度の試合中断、試合延期は珍しくない。これに加え、国内でも時差が4時間ある広大なアメリカ本土・カナダを縦横に移動するために、各球団が移動用の専用機を有し、深夜早朝を問わず航空会社のダイヤに左右されず最も都合の良い時間に移動することが可能ではあるものの肉体的な負担はとても大きい。そのために、たとえ主軸選手であっても疲労回復のために定期的に先発から外すことが多く162試合全てに出場する選手は毎年リーグに数えるほどしかいない。

    各チームが基本的に162試合全てを消化するルールだが、162試合すべてが必ず行われるとは限らない。プレーオフ進出の可否が完全に決定し順位が確定した地区のチームは、雨天中止などによって順延されたゲームの再試合は基本的に行わないこととなっている。仮に選手やチームの何らかのタイトル・記録にかかわる場合であっても試合は行わず、また試合数が揃わないことによる各チーム間の選手成績の調整なども行われない。[1]直接記録の節目にない選手にとっては不公平なルールで不満も出ているが、割の合わない試合はしないというビジネスを優先するメジャーリーグの体質を示している。

    試合数は1960年までリーグ各チーム総当たり(22回戦×7チーム)の154試合であった。アメリカンリーグは1961年から、ナショナルリーグは翌1962年から現在の162試合(18回戦×9チーム)になり、2地区制時代は12球団時は同地区5チーム×18試合=90試合、他地区6チーム×12試合=72試合の計162試合であったが、アメリカンリーグは1977年から、ナショナルリーグも1993年には14球団に増えたことから、同地区6チーム×13試合=78試合、他地区7チーム×12試合=84試合の合計162試合になった。

    [編集] オールスターゲーム

    7月にはオールスターゲームが行われる。当初はオールスター選手の祭典的な位置づけであったが、2003年から勝ったリーグにワールドシリーズでの本拠地開催優先権であるホームアドバンテージが与えられることとなったため、引き分け試合がなくなり以前より本気の試合展開になった。

    詳細はMLBオールスターゲームを参照

    ブッシュ大統領によるワールドシリーズの始球式(2001年)
    ブッシュ大統領によるワールドシリーズの始球式(2001年

    [編集] ポストシーズン

    10月に入ると、各リーグとも162試合の成績を元に各地区の勝率1位および各リーグ勝率2位のうち最高勝率のチームをワイルドカードとして加えた4チームずつによるトーナメント戦を行う。地区1位に2球団が並んだ場合でワイルドカードの対象とならない場合や、ワイルドカード候補に2球団が並んだ場合は、両者間での1試合のプレーオフによって、プレーオフ進出チームを決定する。この試合はレギュラーシーズンの試合の1つとみなされ、個人成績はシーズン成績に算入される。なお、地区1位に2球団が並んだ場合で両チームともプレーオフに出場できる場合は、レギュラーシーズンの直接対戦で勝ち越しているチームが地区1位となる。

    [編集] ディビジョンシリーズ

    ディビジョンシリーズ(地区シリーズ)は、ワイルドカードとリーグ勝率1位のチーム、勝率2位チームと勝率3位チームの組み合わせで試合を行う。ただし、最高勝率チームとワイルドカードのチームが同地区の場合、最高勝率チームに代わり、勝率2位のチームがワイルドカードと対戦する。試合は5戦の予定で行われ、3勝したチームが出ればシリーズは終了し、そのチームがリーグチャンピオンシップシリーズに進出する。ホーム開催は、2試合-2試合-1試合と割り振られる。

    1997年まではホーム開催は2試合-3試合と割り振られ、最初の2試合のホーム開催権のある地区(ホストチーム)があらかじめ決められており、ワイルドカードはホストチームまたは同地区チームとは対戦しないとの規定があったため、ワイルドカードで出場するチームの所属地区により組み合わせが決まっていた。1995年のアメリカンリーグはホストチームが中地区とワイルドカードだったため、クリーブランド(勝率1位)対ボストン(勝率2位)、シアトル(勝率3位)対NYヤンキース(ワイルドカード)の組み合わせとなった。

    [編集] リーグチャンピオンシップシリーズ

    リーグチャンピオンシップシリーズ(リーグ優勝決定戦)は、ディビジョンシリーズを勝ち上がった各リーグの2チームの対戦となる。試合は7戦4勝制で行われ、4勝したチームが出た時点でシリーズは終了し、リーグ優勝となりワールドシリーズ出場権を獲得する。ホーム開催は、2試合-3試合-2試合と割り振られる。

    リーグ準決勝とリーグ優勝決定戦では、シーズン勝率が高いほうにホームアドバンテージ(シリーズ開幕権)が与えられる。ただし、ワイルドカードのチームは勝率にかかわらずホームアドバンテージは持てない。なお1位チームで同じ勝率のチームが対戦することになった場合、レギュラーシーズンでの直接対決に勝ち越しているほうにアドバンテージを与えられる。

    ワールドシリーズ優勝回数
    優勝チーム 優勝
    1 ニューヨーク・ヤンキース 26
    2 セントルイス・カージナルス 10
    3 オークランド・アスレチックス 9
    4 ボストン・レッドソックス 7
    5 ロサンゼルス・ドジャース 6
    6 シンシナティ・レッズ 5
    6 ピッツバーグ・パイレーツ 5
    6 サンフランシスコ・ジャイアンツ 5
    9 デトロイト・タイガース 4
    10 アトランタ・ブレーブス 3
    10 ボルチモア・オリオールズ 3
    10 シカゴ・ホワイトソックス 3
    10 ミネソタ・ツインズ 3
    14 トロント・ブルージェイズ 2
    14 ニューヨーク・メッツ 2
    14 クリーブランド・インディアンス 2
    14 フロリダ・マーリンズ 2
    14 シカゴ・カブス 2
    19 アリゾナ・ダイアモンドバックス 1
    19 カンザスシティ・ロイヤルズ 1
    19 ロサンゼルス・エンゼルス 1
    19 フィラデルフィア・フィリーズ 1

    [編集] ワールドシリーズ

    ワールドシリーズはアメリカンリーグ、ナショナルリーグの優勝チームが対戦する。7戦4勝制で行われ、4勝したチームがワールドシリーズチャンピオンとなる。例外として、1903年1919年から1921年の4回は9戦5勝制で行われた。

    現在までワールドシリーズチャンピオンになったチームは右記の22チームで残りの8チームは一度もワールドシリーズチャンピオンの栄冠を獲得していない。なお現在までの最大獲得はニューヨーク・ヤンキースの26回である。

    ホーム開催の割り振りは2試合-3試合-2試合となっており、ホームアドバンテージはその年のオールスターゲームの勝利リーグに与えられる。この規定になる2003年以前は毎年交代でホームアドバンテージが与えられていた。

    1968年までは地区制がなかったためレギュラーシーズンが終わると自動的にリーグ優勝が決まっていたためポストシーズンに入るとすぐワールドシリーズが開催されていた。なおリーグ1位に2球団が並んだ場合、アメリカンリーグは1試合制、ナショナルリーグは3試合制のプレーオフを行い、その勝者がリーグ優勝となりワールドシリーズ出場権を得た。

    1969年から1993年までは、東地区と西地区の1位でリーグチャンピオンシップシリーズを行っていた。また1984年まではリーグチャンピオンシップシリーズは現在のディビジョンシリーズと同じ5戦3勝制で、1985年から現在と同じ7戦4勝制になった。なお1981年はストライキにより前後期制をとり前期優勝チームと後期優勝チームが地区優勝決定シリーズを行い、その勝者がワールドシリーズ出場をかけリーグ優勝決定戦を行った。

    [編集] ポストシーズンの傾向

    MLBのポストシーズンでは、初戦から3連敗したチームは逆転できない傾向にある。ワールドシリーズは100回を越える試合が開催されたが、逆転勝利した例はひとつもない。リーグチャンピオンシップシリーズでも2004年ボストン・レッドソックスニューヨーク・ヤンキースを3連敗から4連勝で逆転したのが唯一の例で、それまでは北米スポーツでもNHLで2度達成されただけであった。

    さらに、0勝3敗とされたチームは4回戦も敗れるケースが多い。ワールドシリーズおよびリーグチャンピオンシップシリーズで0勝3敗とされたチームは2007年までに29チームあるものの、4回戦に勝った例はわずか6チームだけで、他の23チームはそのまま4連敗で敗退している。

    [編集] ドラフトとマイナーリーグ

    MLBのドラフトは完全ウェーバー制を採用し、戦力の均衡が目的に1965年から導入された。高校・大学および独立リーグの選手を対象に、前年のレギュラーシーズンのチーム成績の下位から指名権を与えられる。毎年、1回のドラフトで1チーム50人、全体で1500人ほどの指名が行われる。また、シーズンオフには他チームのMLB組織に5年以上在籍し、なおも40人ロースター外の選手を獲得できるルール・ファイブ・ドラフトが行われる。この制度は選手の飼い殺しを防ぐ目的で行われる。

    詳細はドラフト会議 (MLB)を参照

    ドラフトで獲得した選手は各球団の育成組織にあたる、マイナーリーグベースボールMinor League Baseball, MiLB)に所属する。各球団6~8チームの下部組織が形成される。マイナーリーグにはAAA級、AA級、アドバンストA級、A級、ショートシーズンA級、ルーキー級の6段階からなり、それぞれの階級でリーグを形成し、MLBとほぼ同じスタイルで試合が行われる。基本的にはたとえドラフト1位指名選手であっても下部組織で経験を積ませてから昇格させるというというのが通例となっており、これによってどんなに有望な選手であっても1年から2年程度はマイナーリーグで経験を積むこととなる。

    詳細はマイナーリーグを参照

    [編集] コミッショナー制度

    歴代コミッショナー
    コミッショナー 在任期間
    1 ケネソー・M・ランディス 1920-1944
    2 ハッピー・チャンドラー 1945-1951
    3 フォード・フリック 1951-1965
    4 ウィリアム・エッカート 1965-1968
    5 ボウイ・クーン 1969-1984
    6 ピーター・ユベロス 1984-1988
    7 バート・ジアマッティ 1988-1989
    8 フェイ・ヴィンセント 1989-1992
    9 バド・セリグ 1998-[2]

    コミッショナー制度が導入されるまで、MLBの意思決定はアメリカンリーグとナショナルリーグの両リーグ会長の合議によって行われてきたが、1920年にブラックソックス事件が発覚し、野球人気が低迷した。人気を回復するため中長期的な展望、戦略、迅速な意思決定をする必要に迫られた各オーナーたちが話し合い、中立的な意思決定機関として1920年にコミッショナー制度が導入された。そして、最高裁判事だったケネソー・マウンテン・ランディスが初代コミッショナーに就任。事件に関わったホワイトソックスの選手8人は、1921年8月2日に裁判で無罪の判決が下りた。しかし、ランディスはホワイトソックスの選手8人を含む15人全員を永久追放処分とすることを決定した。ランディスは声明で「判決に関係なく試合を放棄、計画するような選手は、誰であろうとプロ野球でプレーすることは許されない」と決然とした態度で臨んだ。その後ランディスは計24年間在任し、その功績をたたえMVPの正式名称は「ケネソー・マウンテン・ランディス賞」と呼ばれている。

    制度導入以後はしばらくコミッショナーと両リーグ会長の三頭体制をとっていたが、1999年を最後に両リーグ会長職は廃止されている。

    [編集] 経営

    2006年の観客動員数は前年比1.5%増の7,604万3,902人と3年連続で増加し過去最高を記録している。30チーム中24チームが200万人を超え、8チームが300万人を超えており、年々入場券の平均価格が上がっているにも拘らず観客動員数は増加傾向である。現在までの年間観客動員数最多チームはニューヨーク・ヤンキースで420万518人、最少チームはフロリダ・マーリンズで116万5,120人、全チームの平均は253万4797人となっている。また、2006年のマイナーリーグの観客動員数は4,171万357人で、MLBと合わせた観客動員数は1億1,775万4,259人となっている。ただし、新ヤンキースタジアムなどの観客動員数の多いチームの新スタジアムは旧スタジアムに比べて収容数が大きく減るため今後減少すると予測されている。入場券の売り上げだけで巨額なものとなっており、放送権収入、商標権収入、スポンサー収入、グッズ収入なども含めたMLB全体の総収入は1995年に約13億8,499万ドル、1996年に約17億7,517万ドル、1999年に約27億8,687万ドル、2005年に約47億3,300万ドルなどと年々増加し、2006年には約52億ドル(約6,130億円)に達した。これは、NFLの約60億ドルに次ぐ額となっている。

    また、チームの資産価値も年々上昇しており、アメリカの経済誌フォーブス2006年4月20日に発表したMLB各チームの平均資産価値は、前年比15%増の3億7,600万ドルとなっている。[1]1位のニューヨーク・ヤンキースは10億2,600万ドル、30位(最下位)のタンパベイ・デビルレイズは2億900万ドルの価値と算定されている。そのため、MLBでは30チーム中25チームが黒字である。赤字のチームは、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックスニューヨーク・メッツロサンゼスル・エンゼルス、フロリダ・マーリンズの5チームであるが、後述の課徴金制度のためヤンキースなどの収入の多いチームは多額の課徴金を支払っており、これが赤字の原因の一つとなっている。さらに、各チームの収入にヤンキースはYES Networkによる収入、カブスはWGNによる収入が含まれていないなど実際には各チームの収入はもっと多いとされており、黒字チームも25チームより多いと言われている。また、チームの収益が選手年俸の伸びより速く増加しているため、全体の営業利益は2004年の1億3,200万ドルから2005年には3億6,000万ドルにまで増加している。選手の平均年俸も年々増加し、2001年に初めて200万ドルを超え、2006年の平均年俸は269万9,292ドルとなっている。

    [編集] MLBにおこる問題とその対処

    [編集] 薬物問題

    近年、メジャーリーグベースボールではバリー・ボンズマーク・マグワイアの本塁打量産、ホセ・カンセコの薬物使用の告白、かつて活躍した選手の急死などでドーピング疑惑が注目されている。以前から薬物使用に甘いと言われてきたが、近年は毎年抜き打ち検査が実施されている。2005年からは薬物検査に関する規定を導入し、その内容は違反1回目で10日間、2回目で30日間、3回目で60日間、4回目で1年間の出場停止、5回目でコミッショナーが裁定を下すというものであった。しかし導入当初は罰金を支払えば試合に出ることができるという逃げ道も設けていたことを、アメリカ下院の政府改革委員会から追求された。さらに、これでも未だに他のスポーツに比べて制裁が甘いという批判があり、2006年から違反1回目で50試合、2回目で100試合の出場停止処分、3回目で永久追放という更に厳しい新規定を導入した。だが、この永久追放に関しても救済措置が設けられている。

    2007年12月13日に米国MLBの薬物使用実態調査「ミッチェル・リポート」が公表され、現役、引退問わず89名の選手の名前が記載されている。バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンスアンディ・ペティットミゲル・テハダエリック・ガニエなど大物現役選手や、アレックス・カブレラジェフ・ウィリアムスら日本のプロ野球に在籍経験のある選手も含まれている。

    [編集] ストライキ

    メジャーリーグベースボールでは過去にたびたびMLBと選手会の衝突が起こりストライキが実施された。

    [編集] 1981年

    フリーエージェントに関する問題でで経営者サイドと選手会が折り合わず、6月12日からストライキを決行した。ストライキは50日間に及び、スト解除は7月31日であった。そのため、この年はレギュラーシーズンが前後期制となった。

    [編集] 1994年

    この年のストライキは越年し、メジャーリーグベースボール史上最大となった。オーナーがチームの総年俸に上限を定める「サラリーキャップ制度」を導入しようとしたものの、選手会側がこれに反発しレギュラーシーズン途中の8月12日からストライキを行った。ストライキは232日間にも及び、この年は残りの公式戦やプレーオフはもちろん、第二次世界大戦中も中止にならなかったワールド・シリーズも中止になってしまった。早期解決を促すべく翌1995年2月にはクリントン大統領(当時)も調停に入るが、調停は失敗に終わった。ストライキは4月1日をもって解除されたが、この年の大リーグ開幕は4月25日と例年より約1ヶ月遅ることとなった。当初は4月2日開幕の予定だった。なお開催が中止されたワールドシリーズに代わり、アメリカの一部では日本の日本シリーズが中継された。

    これがもとでサラリーキャップ制度導入は中止となり、その後の話し合いでいわゆるぜいたく税の制度が導入された。これはチームの総年俸が一定額を超えた場合、そのチームから超えた分の一定の割合をぜいたく税として徴収し、総年俸の低いチームへ還元するというものである。このストライキでは大規模なファン離れが生じ、1997年インターリーグ導入の契機にもなった。

    [編集] 2002年

    実際には実行には移されなかったが、ストライキが行われる直前まで至った。年俸総額や球団削減などを織り込んだ新労使交渉が選手会とオーナーの間で折り合わず、8月30日までに妥結されない場合はストライキを決行することにした。ストライキ開始日となる8月30日が近づいても交渉はこう着状態のままでストライキ回避は不可能と思われていたが、ストライキ決行日に決めていた8月30日に事態は急転し交渉が妥結され、ストライキは回避された。急転妥結の原因として、1994年のストライキによる野球離れの再来を労使ともに警戒したためとされる。

    2002年8月に妥結された労使協定は2006年12月19日までとなっており対応が注目されたが、2006年10月24日に過去最長となる5年間の新労使協定を締結。今回の契約内容には、2011年12月までストライキや施設封鎖(ロックアウト)が行われないことなどが盛り込まれている。

    [編集] 戦力均衡策

    現在コミッショナーを務めているバド・セリグ・コミッショナーは、かつて収益や観客動員の少ないミルウォーキー・ブルワーズのオーナーを長年務め、チームの経営難に苦慮した経験を持っていたため、コミッショナーに就任して以来戦力均衡策の導入に積極的だった。インターリーグ(交流戦)、プレーオフでのワイルドカード、年俸総額が一定の額を超えたチームに課徴金(Luxury Tax、ぜいたく税)を課す課徴金制度などを導入した。1965年に導入されていた完全ウェーバー制ドラフトなどもあり、2001年以降ワールドシリーズの優勝チームが毎年入れ替わっている。ただし、所属選手の年俸総額を比較すれば各チームの戦力差に大きな開きが有るのは事実である。たとえ制度を充実させても、補強に積極的なチームとそうでないチームがあるため、必然的に戦力に差が出てきている。また、サラリーキャップ制や収益の完全分配などを導入することも検討されている。

    [編集] 収益分配制度

    MLBの収益分配制度は2つある。1つ目はBase Planと呼ばれるもので、各チームの純収入(総収入から球場経費を除いた額)に20%課税し、各チームから集められた課税金の4分の3が全チームに均等に分配され、4分の1が全チームの平均収入を下回るチームに下回る額に比例して按分分配するという内容(スプリット・プール方式)である。1996年に導入され、その後、2002年8月に締結された労使協定で、税率が34%で課税額の全てを全チームに均等分配する内容(ストレート・プール方式)に改められた。2つ目はCentral Fund Componentと呼ばれるもので、収入の高いチームに課税して、一定の規則のもと収入の低いチームに再分配するという内容(スプリット・プール方式)。

    この制度の目的は、収入の低いチームにより多くの分配金を分配することで収支を改善し、戦力均衡を促すことにあった。ところが、チームがポストシーズンに進出できなくなると球団側は有力選手を放出し、チーム全体の年俸総額を下げて多額の分配金を受け取ることを画策するようになり、結果的に戦力の均衡は達成できなかった。

    そのため、2002年8月に締結された労使協定において、球団側が選手に支払う年俸総額が一定額を超えた場合、超過