カルデラ
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カルデラ(caldera)とは、火山の活動によってできた大きな凹地のこと。初めて、カルデラが研究されたカナリア諸島での現地名による。
本来は地形的な凹みを指す言葉であったが、侵食および埋没により元の地形を留めていない場合などにも、過去にカルデラであったと認められるものはカルデラと呼ぶ。
ちなみに、「Caldera」はスペイン語で「鍋」という意味である。
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[編集] カルデラの成因
[編集] 陥没カルデラ
大規模な噴火で、火山灰、火砕流、軽石、溶岩などの、いわゆる「火山噴出物」が大量に噴出し空洞化した地下のマグマ溜まりに、落ち込む形で地表が陥没した(続いて崖崩れによりさらに拡大した)もの。カルデラの多くがこのタイプである。
[編集] 爆発カルデラ
陥没カルデラよりも小規模な噴火や水蒸気爆発が引き金となって火口付近の山頂部が崩壊し、O形~U型の凹地ができたもの(「U型」のものは「馬蹄形カルデラ」と呼ぶ場合もある)。1888年の磐梯山噴火の山体崩壊によるカルデラが代表例である。1980年に崩壊の様子が、アメリカのセント・ヘレンズ山噴火で連続写真に撮影され、詳細が明らかになった。
[編集] 侵食カルデラ
元は普通の火山体であったが、侵食により火口が大きく広がったもの。伊豆の湯河原カルデラは古い火山が侵食されてできた侵食カルデラの代表例である。侵食カルデラは火山活動と直接の関係はなく、気候や火山体を構成する岩石の脆さなど様々な条件が揃わないと形成されないため、数は少ない。
陥没カルデラや爆発カルデラと、火口は火山活動によってできた凹みである点は同じだが、大きさが異なる。一般に直径が1.5km~2kmよりも大きい凹みの成因は単純に噴火だけでは説明できないため、火口と区別して「カルデラ」と呼ぶ。
[編集] カルデラに関連する地形
[編集] カルデラ盆地
カルデラは地形的な凹地であるから、当然、盆地であるが、他の成因の盆地と区別する場合などは特に「カルデラ盆地」と呼ぶ場合もある。
[編集] カルデラ湖
カルデラ湖(caldera lake)は、カルデラ全体または一部に雨水が貯まり湖になったもの。箱根山の芦ノ湖や十和田湖などカルデラ湖は多数ある。ほとんどのカルデラ(海中を除く)は一度は湖になっており、現在、カルデラ湖でないものは流出する河川ができて排水されたものである。
[編集] 外輪山
外輪山(somma)は、カルデラの縁にあたる尾根の部分。成層火山の山頂付近が陥没または崩壊してできたカルデラの場合、外輪山は元の成層火山の噴出物からなる(例:榛名カルデラ)。もともと、火山のなかった場所に陥没カルデラができた場合、外輪山は古い地層からなる(例:屈斜路カルデラ)か、または、カルデラができた時の噴出物からなる(例:阿蘇カルデラ)。
[編集] 中央火口丘
中央火口丘(central cone)は、カルデラ内に新たに形成された小規模な火山。阿蘇中岳や箱根駒ヶ岳などが代表例。但し、カルデラができた後の火山活動はカルデラ内部で起きるとは限らず、カルデラの縁やすぐ外側に火山ができる場合も多い。例えば有珠山は洞爺カルデラの外側にできた火山である。
[編集] 陥没カルデラを形成する噴火
現在のところ、「カルデラ盆地」や「カルデラ湖」は、1回~数回の噴火で現在の陥没地形が形成されたと考えられている。すなわち、1回の噴火の噴出物量が非常に多い巨大噴火であったと推定される。歴史上、1815年のインドネシアのタンボラ火山の噴火で噴出物が100km3にまで達したが、この大きさは日本の赤城山の全部の体積に相当する。
日本では、5,000年前まで陥没カルデラを形成する巨大カルデラ噴火が、度々、発生していたがそれ以後はカルデラを形成するような噴火は発生していない。しかし、同一カルデラからの大規模噴火は、その間に数万年~数十万年の期間があるために、将来も発生しないという保証はない。
古い解説書などには、「カルデラは成層火山の山頂が噴火で陥没してできる」などと書かれている場合があるが、その後の研究によりカルデラのできる場所は成層火山の山頂とは限らず、もともと、何も無かった場所で巨大噴火が起こってカルデラができる場合もあることがわかってきた。箱根カルデラは富士山のような巨大な成層火山の山頂にできたと考えられていたが、最近の研究では「巨大な成層火山」の存在は否定されつつある。十和田湖・洞爺湖・屈斜路湖などではカルデラの周囲は古い地層からなっており、成層火山はなかったと考えられている。また、阿蘇山の外輪山は、ほとんどが阿蘇カルデラそのものの噴出物からなり、やはり、巨大成層火山はなかったと考えられる。
[編集] 陥没カルデラのできかたと内部構造
陥没カルデラの形成メカニズムには大きくわけて2種類あり、これに従って内部構造も2種類ある。
[編集] ピストンシリンダー型
[編集] バイアス型
地下の巨大なマグマ溜まりから地表に向かって環状の割目ができ、そこからマグマが大量に噴出し巨大噴火となる。噴火と並行して、空洞になったマグマ溜まりに地面が陥没し大規模な円筒形の凹地ができる。アメリカのバイアスカルデラを代表とする。日本にはこのタイプのカルデラ地形はないが、過去にそうであったと推定できる環状の割目やその内部を埋める噴出物は各地で見つかっている(こういった「元・バイアス型カルデラ」を「コールドロン」という)。
[編集] キラウエア型
主に玄武岩質で流動性の高いマグマが、真上に噴火はせずマグマ溜まりから側方に移動して、空洞となったマグマ溜まりに地面が陥没し円筒形の凹地ができる。ハワイのキラウエアカルデラを代表とする。日本では伊豆大島や三宅島などが、このタイプと考えられている。
[編集] じょうご型
[編集] じょうご型
ピストンシリンダー型より小さく、環状割目ではなく1個~数個の火口から噴火し、周辺の岩石は破砕されてマグマ溜まり跡の空洞に落ち込みじょうご型の凹地を形成する(これはすぐに土砂で埋まって平坦な盆地となる)。以前は「クラカトア型」や「クレーターレイク型」などと呼ばれていたが、代表とされるクラカトアカルデラおよびクレーターレイクカルデラが、じょうご型ではないらしいことが判明したため、現在では「じょうご型」と呼ぶ。日本のカルデラの多くはこのタイプと考えられていたが、最近の研究では、じょうご型でないモデルもいくつか提案されている。
[編集] 濁川型
形はじょうご型であるがカルデラとしては最も小さい部類で、直径3km程度。形成過程は不明である。内部に落ち込んだ岩石にあまり大きいものはなく、カルデラと火口の中間的なものとも考えられる。北海道の濁川カルデラを代表とする。
日本のカルデラの分布が伊豆半島~伊豆諸島を除いて南北に偏っているのはプレートの配置と関係があると考えられている。100万年以上前には、本州中央部にもカルデラがあったことが分かっている(穂高岳など)。
[編集] 世界の主なカルデラ
[編集] アメリカ
- イエローストーンカルデラ(アメリカ合衆国) - 約60万年前に巨大噴火を起こした。
- ロングバレーカルデラ(アメリカ合衆国) - 約7万3千年前に巨大噴火を起こした。
[編集] アジア
- クラカトアカルデラ(インドネシア) - 1883年に噴火した。
- タンボラカルデラ(インドネシア) - 1815年に噴火した。記録にある噴火としては最大規模である。
- トバ湖カルデラ(インドネシア) - 約7万年前に巨大噴火を起こした。それに伴う気象変動で人類の祖先は絶滅しかけたとも言われる。
カルデラの一覧 (日本)も参照
